ずっと見たかった映画
牛の鈴音を見に行って来た。
韓国の田舎に暮らす農家の老夫婦と、
平均寿命の15年を遥かに超えて30年以上も
農夫の手となり足となり働いてきた牛との日常が
淡々とゆっくりゆっくり牛の歩みのように流れるドキュメンタリー
79歳の農夫は8歳の時から足が悪いのに
辛い農作業を毎日続けていて
仕事を休めと云う医者の忠告も聞かず
「休むのは死んでからでいい」と云う
ハルモニ(おばあちゃん)がまたいいキャラしてて
牛に食べさせるためにと、畑の雑草にも農薬を使おうとしないハラボジ(おじいちゃん)に
「私なんかよりずっと牛のことを大事にするんだから!」と
毎日文句を云ってばっかりなんだけど
それがまるでヤキモチを焼く新妻みたいでなんとも可愛いらしい
そんな小言には全く耳を貸さないハラボジも
年老いた牛が具合を悪くして出した小さな声にはすぐに反応して
心配そうに様子を伺っていたのが印象的だった
名前もない「牛」との別れがもう近づいているのを
きっとハラボジは分っていたから・・・
しわくちゃのハラボジと日焼けして真っ赤なハルモニの顔と
泥で汚れて毛はボロボロで、痩せてお尻もゴリゴリになった牛の姿が
何故だかとっても美しかった
心の中に太陽が当たってるようなぽかぽかする感じが
ずっと残ってる
そんな素敵な映画でした